ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」
最初に書いておくと、私はヤクザは必要悪だとは考えていない。単なる悪だと考えている。社会の癌だと考えている。じゃあ、他の半グレや中華系のマフィアはどうするんだという意見もあると思うが、それこそ論点のすり替えの詭弁であると考える(どっちもヤクザと同じ癌だ)。
そんな風にヤクザそのものは嫌悪しているが、その連中が駆使?しているとされる方法論はうまく使い、自分の人生に役立てていきたいと考えて本書を読んだみた。
内容としては、うまいレトリックを使おうというものが多く感じられた。ただ、現実にはそれで済むものは少なく、その点を突き詰められたり、そこから更に話を変えられたらどうするかという点があるので、すべてをそのまま使うことはできないが、一部は参考になりそうなものもあったので、それは今後使っていければと考えている。
参考になったのは以下の内容だ。
-いきなり前言撤回されたら、ケツをまくってこちらも腰を浮かせる
-当然、それで本当に破談になることもあるかもしれないが、それくらいの覚悟が
ないと相手にいいように使われてしまうことがある
-きれいごとや正論をかざす人間には、やる気を見せつつ、責任を押し付けてやればいい
-頼みごとをしたときには、保険をかけ、相手が動かざるを得ない状況に追い込むようにする
-相手がこちらの頼みごとを了承したときは、自分側の上層部にまで報告してお
く、など相手との約束を広範囲に広げてしまい、退路を断たせるなど
-侮辱の言葉を言われたら、冷静に怒れ。そして、相手の言葉を「撤回」させろ
-「お前は何をやっても馬鹿だな」「私は馬鹿です。ですが馬鹿なりにやってき
て、うまくいったこともあるんです。何をやってもというのは侮辱です。撤回し
てください」
-クレームをつけるときは、クレームをつける相手のランクを1段上げ、「悪いのはこ
の担当者である。あなたは悪くない。」というスタンスで臨む
-「この担当者がぞんざいな対応をした。(あなた自身は悪くない)」
-部下が仕事でポカをしたときは、単に怒鳴って怒るのではなく、「そうか。それでど?」と質問を投げかけ、先を促すようにする
-抽象論で責めると相手は逃げられない
-仕事でミスをしたにも関わらず、反省の色がない場合には「君は、○○という仕事
をなんだと思っているのか?」と、答えやすいようで答えにくい質問をして追い
込む
-双方に原因があるようなケースでは「すみません」ではなく「失礼」という
-すみません、と言ってしまうと、相手に付け入るスキを与えてしまう
-そして、それでも突っかかってきたときは、カッとならずに丁寧にかつ毅然に対
応する
本書は、一般人の処世術としても、うまく使えるものであり、ヤクザということで手に取ることも嫌な人もいるかもしれないが、一度読んでみるとよいと思う。